売買契約とは・手付金・担保責任

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金銭により、物やサービスなどを購入・売却する契約を売買契約という。
売買契約における手付、担保責任などについて説明する。

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売買契約と手付

手付(手付金)とは、契約締結の際に、相手方に交付する金銭や有価物のこと。
交付された手付は通常は売買代金の一部に充当される。

1)手付の性質
・証約手付の性質:売買契約が成立した証拠
・違約手付:A→Bに土地売買でBが代金を支払わない場合、違約した罰としてAは手付没収される。逆にAが土地を渡さない時は、AからBに倍返し。
・解約手付:手付の額だけ損すれば契約を解除できる。原則として手付はこの解約手付の意味を持つ。手付を受け取った側は倍返しで解除成立。

2)解約手付けによる解除の要件
当事者の一方が契約の履行に着手するまで。

3)宅建業法の特則
宅建業者が売主で、非宅建業者から手付を受領する時は、代金の2割を超えてはいけない。常に解約手付の性質を持つ。

売買契約と担保責任

売主は目的物の品質を保証する責任を負い、過失があったかどうかに無関係に負わねばならない。
売主の担保責任は任意規定であり、当事者の特約により当事者公平の範囲で加重・軽減できる。
売主が問題事実を買主に告げなかった場合、売主自ら第三者に設定や譲渡した権利の場合は、特約は無効で担保責任発生。

売主の担保責任の種類と内容
1)権利の全部が他人に属しているとき
・善意の買主→契約解除、損害賠償請求(さらに転売など取引を行い損害が発生する可能性があるため)
・悪意の買主→契約解除(ただし判例では売主に故意・過失がある場合は損害買収請求できる)

2)権利の一部が他人に属しているとき
・善意の買主→代金減額請求、契約解除、損害賠償請求(※事実を知った時から1年以内に追求)
・悪意の買主→代金減額請求(※契約時から1年以内に追求)

3)数量指示売買で数量不足・一部滅失のとき
・善意の買主→代金減額請求、損害賠償請求、契約解除(※事実を知った時から1年以内に追求)
・悪意の買主→何もできない

4)他人の権利(地上権、地役権、賃借権、質権など)による利用制限があるとき
・善意の買主→損害賠償請求、契約解除(※事実を知った時から1年以内に追求)
・悪意の買主→何もできない

5)抵当権・先取特権の実行により所有権を失ったとき
・善意の買主→損害賠償請求、契約解除
・悪意の買主→損害賠償請求、契約解除
買主が、売主(債務者)の代わりに弁済して被担保債権を消滅させたら、その費用の召喚を請求できる。
抵当権が設定されていることが考慮されて、不動産価格が相当分値下げされて売買契約が成立の場合、売主の担保責任は発生しない。
目的の不動産に抵当権登記がある場合、買主は抵当権消滅請求の手続きが終わるまで、代金支払いを拒める。

6)隠れた瑕疵のあるとき(瑕疵担保責任)
・善意無過失の買主→損害賠償請求、契約解除(※事実を知った時から1年以内に追求)

買戻し

不動産の売買契約で、買主が払った代金と契約費用を売主が返せば、売買契約を解除できる特約をつけ、解除権を留保するもの。一時的に金融を得る手段として用いられる。
買戻しを行う売主は、買戻し期間内に買主または転得者に、代金と費用を提供し買戻しの意思を表示しなければならない。

以下の要件。
・目的物が不動産
・買戻し特約は売買契約と同時にする
・買戻しの際は最初の代金と契約費用の合計を超えてはいけない
・買戻しの期間は10年以内

1)買戻しの登記
買戻しの特約が登記されると、第三者に対しても効力を生じる。
買主から建物を借りて登記している者は、買戻権者に対し1年間のみ対抗できる。

2)再売買の予約
買戻しと同じく一時的に金融を得る手段で、売買契約当事者間で再度の売買契約を行うことを約束する。
予約完結権を行使すれば、二度目の売買契約が成立。
再売買の予約には、買戻しのような厳格な要件がないゆえ、再売買の予約のほうが行われることが多い。

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