開発行為の許可・開発許可と建築制限

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開発行為とは、建築物の建築や特定工作物の建設のために行う土地の区画・形質の変更。
原則として都道府県知事の許可が必要であるが、一定の条件を満たす場合は許可不要である。

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許可不要の開発行為

1)面積によって許可不要な場合
・市街化区域内→1000㎡未満の開発行為
・区域区分が定められていない都市計画区域(非線引区域)内、または準都市計画区域内→3000㎡未満の開発行為
・都市計画区域及び準都市計画区域外の区域(都市計画区域外の区域で、準都市計画区域の指定がされていない区域)→1ヘクタール未満の開発行為

2)目的によって許可不要な場合
・市街化区域以外の区域で行う、畜舎・温室など農林漁業用の建築物や、農林漁業者の住宅の建築のための開発行為
・駅その他の鉄道施設、社会福祉施設、医療施設、学校(大学、専修学校、各種学校を除く)など公益上必要な建築物の建築のための開発行為
・国や都道府県が行う開発行為
・都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、防災街区整備事業の施工として行う開発行為
・非常災害の応急措置として行う開発行為
・通常の管理行為、軽易な行為など。

開発許可の基準

都市計画法33条の基準(33条基準)と34条の基準(34条基準)がある。
33条は開発行為の最低基準で、34条は市街化調整区域だけに適用される基準。
市街化調整区域内での開発行為は、33条基準をすべて満たし、さらに34条基準のどれか1つを満たす必要がある。

・33条基準
1)用途地域等に適合
2)道路・公園などが安全に配置、道路の接続
3)排水施設
4)給水施設
5)地区計画等に即していること
6)地盤の改良・擁壁の設置など安全措置
7)災害危険地区、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域を含まないこと
8)権利者の相当数の同意
9)申請者の資力・信用
10)開発技術

・34条基準(市街化調整区域の許可基準)
1)日用品供給の店舗などの建築
2)鉱物資源・観光資源のための建築
3)農林漁業用の建築、農林水産物の処理・貯蔵・加工のための建築
4)危険物の貯蔵・処理のための建築
5)市街化区域内では困難な建築や第一種特定工作物の建設

特定工作物

特定工作物とは以下の建築物を指す。

・第一種特定工作物
コンクリートプラント、アスファルトプラント、危険物の貯蔵・処理施設など

・第二種特定工作物
ゴルフコースや1ヘクタール以上の野球場、遊園地、庭球場、陸上競技場など

開発区域内の建築制限

1)工事完了前の建築制限
工事完了の公告があるまで建築・建設できない。予定建築物でも建築できない。以下例外で建築・建設できる。
・工事用の仮建築物や特定工作物の建築・建設
・知事が支障なしと認めた場合
・開発行為に同意していない土地の権利者が、その権利に基づいて建築物を建築する場合

2)工事完了後の建築制限
許可された予定建築物以外は建築できない。

3)市街化調整区域内の建築制限
知事が定めた制限に反する建築物は建築できない。
開発許可を受けた区域以外の区域内では、知事の許可なしには建築できない。(農林漁業者の住宅、公益建築物は可能)

開発許可申請の手続と許可・不許可の通知など

1)開発許可申請
・開発区域の位置、区域及び規模
・予定建築物または特定工作物の用途
・開発行為に関する設計
・工事施工者 など
を記載した申請書を都道府県知事に提出。
開発行為に関係のある公共施設の管理者の同意が必要、また設置される公共施設の予定の管理者と協議。

2)許可・不許可の通知
都道府県知事が遅滞なく文書で通知。不許可の場合、理由もあわせて通知する。

3)開発登録簿
開発許可の年月日、予定建築物の用途、公共施設の種類、位置及び区域やその他の開発許可の内容などを登録。
そして、登録簿を常に公衆の閲覧に供するように保管。

4)開発行為に関する工事の完了
開発許可を受けた者は、工事完了後、その旨を都道府県知事に届出なければならない。
都道府県知事は、遅滞なく適合しているか検査し、検査済証を交付する。

5)公共施設の管理と開発行為の廃止
開発行為で設置された公共施設は、原則として工事完了公告の翌日に市町村の管理に属する。
開発行為の廃止の場合は、遅滞なく都道府県知事に届出なければならない。

6)開発許可に基づく地位の承継
・相続・合併等による承継(一般承継):相続人や会社合併の場合の一般承継人は、当然に許可に基づく地位を承継する。知事承認不要。
・特定商刑:開発許可を受けたものから、権限を取得した者も、許可に基づく地位を承継。知事承認が必要。

7)不服申立
開発行為に関する処分に不服がある場合は、開発審査会に対して審査請求をできる。
開発審査会の裁決にも不服のときは、裁判所に対して処分取消の訴えを提起できる。

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