宅建の出題科目分野は4つ

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宅建の試験は、大まかに分類しますと、4科目の分野から出題されます。販売されている宅建業のテキストや問題集も、この4科目の分類に則って編集されているものが多いです。その4科目の分類と、それぞれの科目での出題数や出題傾向などについて説明します。

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宅建試験の科目分野と出題数

宅建の試験は大きく分けると、次の4科目から出題されます。

1.権利関係
2.宅建業法
3.法令上の制限
4.税金その他

そして、近年での各科目における問題の出題数は以下のような傾向です。

1.権利関係から14問前後
2.宅建業法から20問前後
3.法令上の制限から8問前後
4.税金その他から8問前後

試験が実施される年度によって、各科目の出題数は多少変化しますが大体上記のような感じです。近年の傾向として、宅建業法からの出題数が増えています。以前は宅建業法からの出題数は、15問から16問位の年が多かったです。

なお出題に使われる法律は、その年の4月1日に施行されているものです。法改正などが行われた年には、必ず確認する必要があります。

5点免除の問題が5問

宅建の問題数は50問と説明しましたが、最後の46問目から50問目の、税金その他の科目から出題される、5問の問題は5点免除問題となります。

これは現在、宅建業に仕事として従事している人を対象に、登録講習を受けることで5点が免除される制度です。自動的に5点が加算されることになります。5点免除問題の詳細については、宅建試験は登録講習で5点免除をお読みください。

それぞれの科目の特徴

宅建の試験科目である4つの科目について、それぞれ特徴を見ていきます。

1.権利関係
理解力が問われる科目です。テキストを深く読み込んで、民法や借地借家法などの関連法律を、正確に理解しておく必要があります。逆に言うと考え方を理解さえすれば解きやすく、数字の暗記などは少ない科目です。宅建試験においては、もっとも理解が難しく勉強に時間がかかる科目となります。

2.宅建業法
宅建試験において最も出題数が多く、宅建試験の中心となる科目です。8割〜9割近くかそれ以上の正解率で、高得点を目指すべき科目となります。宅建業法自体は読めば理解しやすく、勉強したら勉強した分だけ得点を重ねやすい科目です。ただし、注意点としては、暗記すべき数字等の知識が多いので、それについては試験前に徹底復習するなどして、暗記を強化しておく必要があります。

3.法令上の制限
宅建業法と同様に暗記の科目となります。読めば理解しやすいですが、暗記すべき事項や数字がたくさん出てきます。宅建業法と同様に暗記さえしておけば、確実に得点を重ねることができる科目です。

4.税金その他
税金に関する法律のほか、不動産評価、土地や建物に関する知識、統計情報等に関する問題が出題されます。基本的には暗記の科目です。難問が出題されることもありますが、基本は覚えてさえおけば確実に得点できる科目となります。

こうやってまとめてみますと、権利関係は理解中心の科目、その他の科目は暗記中心の科目であることがわかります。なので権利関係を勉強する際には、考え方や法律の解釈を深く理解することを努めましょう。

逆に他の科目の勉強では、法律自体は読めばわかる条文が多いですので、理解自体はそれほど難しくはありません。ただし権利関係以外の科目は、数字などの暗記すべき項目が多いです。それらの記憶すべき事項に注意して、暗記を強化しながら勉強を進めていく必要があります。

宅建試験の目標点数

宅建の合格を目指す上で、満点を取る必要はありません。というか満点を取るのはほぼ不可能に近いですし、満点を取るための勉強というのは、効率が良いものではありません。目標とすべき点数は、7割ちょっとの得点である36点です。

これは過去10年間の宅建の試験における合格ラインの最高点が36点だからです。宅建の難易度や合格率・試験合格は難しい?で、過去の宅建試験の合格点ラインなどについて解説しています。

7割ちょっとである36点をとっておけば、ほぼ確実に合格できるでしょう。宅建の合格ラインは、問題が難しい年は合格ラインの点数が低くなり、問題が簡単な年は合格ラインの点数が高くなる傾向にあります。

皆がわからなくて解けないような難しい問題は、正解する必要はありません。7割〜8割ぐらいの人が皆正解するような、簡単な問題を確実に正解にして、点数を伸ばしていく必要があります。その結果、7割ちょっとである36点を取ればいいのです。

宅建試験は科目別の足切りは無い

宅建の試験の場合、4科目別の足切りはありません。科目別の足切りとは、総合点数での合格ラインとは別に、科目別での合格得点の最低ラインを設けることです。行政書士や社会保険労務士の資格試験等では、足切りによる科目別での合格ラインが設定されています。

宅建試験の場合、例えば法令上の制限が8問出題のうち0点だったとしても、その他が全問正解すれば42点ですから、ほぼ間違いなく合格となります。

科目別の目標点数

法律の専門家や民法の学習経験者でない人であれば、宅建試験の科目では権利関係がもっとも難しいです。権利関係が得意であるかどうかによって、宅建の科目別の目標点数が変わってきます。

権利関係で得点を重ねるためには、民法を深く理解しておく必要があります。私の場合は、権利関係を勉強するうちに好きになり得意になりましたが、他の科目である宅建業法、法令上の制限、税金その他などの科目に比べると、権利関係の勉強がもっとも時間がかかりました。

そして、宅建業法が勉強するのに一番簡単な科目となります。宅建業法自体はとてもわかりやすい法律なのです。そして、宅建の試験では当然ながら宅建業法の科目が一番問題数が多く出題されます。ですから宅建業法は、絶対に捨てることのできない科目です。宅建業法の科目は、必ず高得点を目指す必要があります。

近年の宅建試験の出題数の傾向は、以下のようになっています。

1.権利関係から14問前後
2.宅建業法から20問前後
3.法令上の制限から8問前後
4.税金その他から8問前後

この出題数を元にして、権利関係が苦手な場合と得意な場合での目標点数を設定してみます。

権利関係が苦手な場合の科目別目標得点

1.権利関係   :7点 (14問中)
2.宅建業法   :17点(20問中)
3.法令上の制限 :6点 (8問中)
4.税金その他  :6点 (8問中)
————————————————–
合計      :36点(50問中)

権利関係が得意な場合の科目別目標得点

1.権利関係   :10点 (14問中)
2.宅建業法   :16点(20問中)
3.法令上の制限 :5点 (8問中)
4.税金その他  :5点 (8問中)
————————————————–
合計      :36点(50問中)

36点を獲得するための、各科目での具体的な目標点数は、上記のような感じです。宅建業法はしっかりと勉強すれば、8割から9割以上の正解を十分に狙えます。難しいのは権利関係の科目です。苦手な場合ですと、半分かそれ以下の正解率になってしまう可能性もあるでしょう。その場合は、他の科目で挽回する必要があります。

逆に権利関係が14問中で10点以上を取れますと、他の科目がかなり楽になります。宅建業法は8割は取れますから、法令上の制限と税金その他で、8問中のうち3問ずつ間違っても合格ラインの36点に到達できます。

各科目でのご自分の目標点数は、権利関係が得意かどうかということに着目して、目標点数を定めましょう。宅建試験では、科目別の足切りがないですので、目標点数の戦略は比較的自由に設定することができます。

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