不法行為とは
不法行為とは、故意・過失により他人の権利や法律上保護される利益を侵害する行為である。
要件を満たすことにより、不法行為が成立する。
一般の不法行為の要件と効果
1)一般の不法行為の要件
・行為者に故意または過失があること(過失責任の原則)
・行為者に責任能力があること
・加害行為に違法性があること
・損害が発生していること
2)不法行為の効果
・損害賠償請求権の発生
・不法行為の損害賠償請求権の消滅時効は、被害者かその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年、行為の時から20年のいずれか先に経過した時点で完成。
使用者責任
使用者または使用者に代わって事業を監督するものは、被用者が第三者に与えた損害について被用者とともに損害賠償せねばならない。→報償責任
使用者または監督者が賠償した時は、被用者に対して求償権を行使できる。
1)使用者責任の成立要件
・一般的不法行為の成立要件を満たすこと
・ある事業のために他人を使用していること
・加害行為が事業の執行につき行われたこと
2)使用者責任の効果
被害者は被用者と使用者に損害賠償請求できる。両者の関係は不真正連帯債務となる。
土地の工作物の占有者・所有者の責任
土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた時は、その工作物の占有者は被害者に対し損害賠償しなければならない。
占有者が必要な注意をしていた時は、その所有者が賠償せねばならない。所有者は無過失責任を負う。
損害発生原因につき他に責任のある者が存在する時は、その者に対して求償できる。
共同不法行為
数人の行為で、他人に損害が発生した場合は、各自連帯して賠償責任を負う。
1)共同不法行為の要件
・数人の者が共同の不法行為で他人に損害を加えたとき
・共同行為者中の誰の行為により損害が発生したか不明のとき
・不法行為者を教唆(そそのかし)、幇助(手助け)したとき
2)共同不法行為の効果
不真正連帯債務となる。
被害者は損害賠償の全額を、加害者のうちの1人または全員に、同時または順次に請求できる。
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