建物買取請求権・地代等増減請求権
借地権者の権利として、建物買取請求権や地代等増減請求権が認められている。
いずれも借地権者の保護を目的とする権利である。
建物買取請求権
借地権者は、借地上の建物その他借地権者が権限により土地に付属させた物の買取を地主に請求できる。
建物買取請求権が行使されると、地主が拒否しようとしても売買契約が成立する。
このように行使するだけで法律効果が発生してしまう権利を形成権という。
買取価格は時価となる。
以下の場合に建物買取請求権が認められる。
1)借地契約の更新ができなかったとき
2)建物譲渡があったが地主の承諾が得られなかったとき
借地人が、借地上の建物を第三者に譲渡した場合、その借地権を建物譲受人が承継するためには地主の承諾が必要。
地主が借地権を承諾しなかったり、裁判所の許可が受けられない場合は、譲受人は地主に対して建物買取請求権を行使できる。
地代等増減請求権
地主と借地権者の利害の調整として、借地権者には地代等増減請求権が認められている。
借地権者は、地代等が土地への公租公課の増減、経済状況の変動で土地価格の上昇・下落、近隣の地代・賃料などを鑑みて、地主に対して地代などの増額・減額請求ができる。
増額しない特約がある場合は、その期間内は増額請求できない。
逆に減額しない特約があった場合でも、減額請求は可能である。
基本的に借地借家法は借地権者など借りる側の味方。
増額・減額請求で協議が整わない場合は裁判で確定、相当と思う地代を払う(借地権者)、もしくは請求すればいい(地主)。
裁判で地代等が確定したら、借地人は不足額に年1割の利息をつけて支払い、地主は受け取った超過額に年1割の利息をつけて返還する。
調停前置主義
地代等増減請求により、増減額請求で争いが生じた場合、訴訟の前にまず調停を申し立てる。
民法の多くの場面では、調停前置主義が前提とされる。
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