債権者代位権とは
債権者代位権とは、債権者が自己の債権を保全するために、債務者に代わって(代位して)債務者の権利を行使する権利。
債権者を保護するための権利である。
債権者代位権
債権者が自己の債権を保全するために、債務者に代わって(代位して)債務者の権利を行使する権利。
AがBに100万円の貸金債権を持ち、BがCに100万円の貸金債権を持つ場合…
Aは、BのCに対する100万円の債権をBに代位して行使できる。
Aは、裁判所にBのCに対する債権の差押えを申し立てて、転付命令(債権をAに移転させる命令)を得れば、Cに対する債権を行使できる。
債権者代位権の要件
・債務者の無資力により、債権者が債務者の権利を行使しないと債権者の債権が満足されない場合
・債務者がその権利を行使していないこと
・債権者の債権の期限が到来していること
ただし以下の場合は、債権者の債権期限到来前でも債権者代位権を行使できる。
裁判上の代位(裁判所の許可での代位)
保存行為の代位(債務者の債権の消滅時効を中断するなど債務者財産の保存を目的とする代位)
代位行使できる権利
金銭債権
債務者の一身に専属する権利(離婚による財産分与請求権、相続の承認・放棄など)以外の権利
催告権、取消権、解除権など
※債権者代位権は、債務者の財産保全のためなので、親権などの非財産的権利や差押えの許されない権利は、代位権行使は認められない。
代位行使の方法・範囲
債権者は、代理人としてではなく、自分の名義で債務者の権利を代位行使する。
また、自分の債権の範囲内で代位して取り立てる。
債権者代位権の転用
金銭債権以外にも認められる。
X→Y→Zと不動産が譲渡され、まだ登記がXのところにある場合、ZはYのXに対する移転登記請求権を代位行使できる。
また、土地賃借人Zが、土地の不法占拠者Xに対して、土地所有者Yが持つ妨害排除請求権を代位行使できる。
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