誇大広告の禁止・広告の制限
宅建業者は、誇大広告の禁止や公告開始時期の制限、取引様態の明示義務など、広告を行う際に規制を受ける。
虚偽や誇大な広告等で、相手方に損害を与えることを防ぎ、取引の公正さを確保するためである。
誇大広告などの禁止
すべての広告媒体において、以下の事項について誇大広告などを禁止する。
・所在
・規模(面積)
・形質(地目、電気などの施設整備、構造や新築・中古の区別)
・利用制限(用途制限や建ぺい率、地役権など)
・環境
・交通などの利便
・代金、賃貸などの額、支払方法(権利金、割賦払いの支払い条件なども含む)
・代金または交換差金に関する金銭の賃貸のあっせん(ローンに関する金利などの条件)
市街化調整区域の土地であることを黙っている場合のように、消極的な誤認の場合も含まれる。
また、実際に誤認されたかどうかでなく、表示する行為のみで抵触する。
違反した場合、監督処分として指示処分や業務停止処分(重ければ免許取消処分)のほか、6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金。
公告開始時期の制限
1)公告開始時期の制限
宅建業者は、工事完了前において、開発許可(都市計画法29条)、建築確認(建築基準法6条第1項)などの許可がおりた後でなければ、宅地や建物売買に関する広告はできない。
すでに物件が完成している場合は、適用されない。違反した場合、監督処分の指示、罰則についての定めはない。
以下の宅建業の業務に関する広告が制限される。
・宅建業者が自ら当事者となって売買または交換する旨の広告
・宅建業者が代理、あるいは媒介により売買、交換、賃借を行う旨の広告
2)公告開始時期の制限の例外
宅地は開発許可、建物は建築確認があった後であれば、工事完了前であっても広告の表示が可能である。
取引態様の明示義務
宅建業者は、宅地・建物の売買、交換、賃借に関する広告を行う時は、自分の立場を相手方に明示しなければならない。
これは、取引態様によって、宅建業者の持つ法律上の権限や報酬請求権の有無・額が異なるため。
宅建業者の3種類の取引態様
・自分がその契約当事者(売主・買主・交換主)として売買、交換を成立させる。
・代理人として売買、交換、賃借。
・媒介人として売買、交換、賃借。
また宅地・建物の売買、交換、賃借に関する注文を受けた時にも、遅滞なくその注文者に、取引態様を明らかにしなければならない。
広告に取引態様を明示していても、注文受付の際に再度取引態様を明示せねばならない。
明示の方法は、書面のほか口頭でもOK。
取引態様の明示義務に違反した場合、業務停止処分(重ければ免許取消処分)。
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