建物の構造・木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの違い

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建物の構造は、基礎構造と上部構造、仕上げから構成される。
使用する資材の違いにより、木造建築物、鉄骨造、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート造などに分類される。

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建物の構造

1)基礎構造
基礎:鉄筋コンクリートで造り、独立基礎、複合基礎、布基礎、べた基礎など。
基礎を支え建物を安定させるために、地盤に割りぐり石を突き固めたり、杭打ちしたりすることを地業という。

2)上部構造
建物の上部構造は、使用される材料により5つに分類される。
・木造:軸組工法(在来工法)、木質系プレハブ工法、枠組壁工法(ツーバイフォー)、丸太組工法(ログハウス)など。
・コンクリートブロック造:鉄筋コンクリートで補強してコンクリートブロックを積み上げて壁を作る組積式構造。
・鉄骨造:鋼材でボルト、リベット、溶接で接合し骨組みを造る。鋼材は、火熱と酸、腐食に弱いため、表面処理を行う。
・鉄筋コンクリート造:ねばり(靭性)があり、引っ張る力に強い。熱や酸、圧縮に弱い鋼材(鉄筋)を、熱や圧縮に強いアルカリ性のコンクリートで包み込む構造。
・鉄骨鉄筋コンクリート造:鉄骨と鉄筋コンクリート造を組み合わせ。基礎から屋根まで一体に造る一体構造で、耐震性、耐火性、耐久性すべて優秀。

3)仕上げ
屋根:雨漏りを防ぎつつ、断熱効果や遮音性、耐久性、防火性などが必要。
屋根ふき材:日本瓦、洋瓦、セメント瓦、亜鉛引鉄板、鉄筋コンクリート屋根(陸屋根)など。

木造建築物

骨組みが木材。腐りやすく耐火性に劣る反面、軽量で作りやすく工費が比較的安い。
防腐剤や外壁モルタル塗装で欠点をカバーできる。

1)軸組工法(在来工法)
軸組工法の骨組みは以下の骨組みから構成される。
・軸組:壁の骨組
・小屋組:屋根の骨組み
・床組:床の骨組み

軸組は、コンクリート造の布基礎上の土台に柱を立てて、柱頭部を横架剤(桁)でつないで構成。
2階建ての場合、1階柱の上を胴差という横架材でつなぎ、その上に2階の柱を立てその頭部を桁でつなぐ。四隅は1階2階を継ぎ目なしで1本の柱にする。
柱と柱の間は筋かいという斜材を入れる。
柱が外にむき出しの真壁造(和風住宅)と、柱や筋かいなどを仕上材で隠す大壁造り(洋風住宅)がある。

2)枠組壁工法(ツーバイフォー)
北米考案の構造法で、輸入材の枠組材と構造用合板で造った床パネルや壁パネルを組み立てて造る。
壁で支えて柱を少なくするため、空間を広く取ることができる。
壁支え構造のため通し柱は必要なく、小屋組が簡単ゆえ空間を広くとれ、小屋裏を3階にできる。

3)耐震性を高めるための要点
・基礎は鉄筋コンクリート造の布基礎、土台とアンカーボルトで緊結。
・すみ柱は通し柱、その他の柱は管柱。
・筋かいをバランスよく入れる。
・屋根は軽量な材料を使い、下地と緊結する。
・1階と2階の柱や間仕切り壁は、できるだけ同じ位置に持ってくる。
・大きな部屋は、1階より2階に配置。

4)耐久性を高めるための要点
・よく乾燥した木材を使用。
・木材の用途に応じた樹の種類を選ぶ
・必要に応じて、防虫・防腐対策

鉄骨造

骨組を鋼材で造る、軽量でねばりのある構造。
工法は木材に似ており、鉄筋コンクリート造の基礎の上に柱(鉄骨柱)を立て、はやり桁を接合し、ブレース(筋かい)を入れる。
鋼材の接合は、ボルト、リベット、溶接により行う。
骨組みの形式には、トラス、ラーメン、アーチなどがある。
大きなスパン(張間)の建物、工場や体育館、超高層ビルなどに用いられる。
鉄構造は不燃だが、火熱と酸に弱い。ゆえに表面を耐火被覆材や防錆塗料で耐久力を増す処理を行う。

鉄筋コンクリート造

引っ張りに強いが火熱や酸、圧縮に弱い鋼材(鉄筋)を、火熱や圧縮に強いアルカリ性のコンクリートで包み込む構造。
ねばり(靭性)があり、引っ張る力に強い。
基礎から柱、はり、壁、床まで鉄筋を組み、その周りを型枠で囲んでその中にコンクリートを流し込み、基礎から屋根までを一体に造る構造。
鉄筋は、鉄骨と比べると強度は弱く、5〜6階建て向き。

鉄骨鉄筋コンクリート造

鉄骨と鉄筋コンクリート造を組み合わせ。
基礎から屋根まで一体に造る一体構造で、耐震性、耐火性、耐久性すべて優秀。
鉄筋コンクリートより階数を多くでき、高層建築物を建てられる。
しかし、コンクリートは重いので、超高層ビル(鉄骨造)には不向き。

鉄筋コンクリート造も鉄骨鉄筋コンクリート造も優れているが、コンクリートがアルカリ性を失って中性化したり、コンクリート材に粘土質や塩分が含まれていたり、
雨水などが侵入したりすると、コンクリートに含まれている鉄筋や鉄骨が錆びるので注意が必要。

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